穴澤研究室

種多様性が維持されるメカニズム

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自然の中で同じ資源を必要としている生物種は互いに競争関係にあります。例えば互いに近縁関係にある昆虫種や、森林のいろいろな種類の樹木です。自然の中では、このように互いに競争関係にあるたくさんの生物種が共存していますが、実はこれはとても不思議なことなのです。実験室の中で互いに競争関係にある生物を長時間共存させることは非常に難しく、ほとんどの場合、競争に強い種のみが生き残り、他の種は絶滅してしまいます。では、なぜ自然の中ではうまく共存できているのでしょうか? いくつかの仮説はありますが、そのメカニズムはまだ十分解明されているとはいえません。自然の中で多種が共存し種多様性が維持されるメカニズムについて、コンピュータシミュレーションなどを通して研究しています。

森林の種多様性について研究するシミュレーション

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生態系の急激な劣化・異常が起こるメカニズム

湖沼では水質が急激に悪化してアオコが大発生することがあります。また、海では赤潮が急に発生することがあります。このように、生態系の状態がだんだんと劣化するのではなく、短時間で別の状態に変化してしまう現象はレジームシフトと呼ばれています。また、このように一度、レジームシフトを起こしてしまった生態系は、回復に向けた努力をしてもなかなか元に戻りにくいということが知られています。なぜこのような急激な状態変化が生じるのか、また、どのようにしたらこのような急激な変化を未然に回避することができるのかを数理モデルを使って研究しています。

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生態系の安定性や持続可能性

生態系の中ではさまざまな生物種が互いに影響を与え合っています。例えば、ある生物種は別の生物種をエサとしています。このように、2つの生物種が捕食・被食(食物連鎖)の関係でむすばれていると、しばしば2種類の生物の個体数は時間とともに大きく変動することが知られています。実際の生態系では、多数の生物種が互いに影響を与え合っているので、個体数の変動は予想を超えたものになります。しばしば、とても大きな変動をすることがあり、場合によっては、いくつかの種が途中で絶滅してしまうこともありえます。このような生態系は不安定な生態系です。しばしば、作物の栽培のように人工的な生態系は不安定になることがあります。どのような特徴をもった生態系が不安定になるのか、生態系の構造と安定性の関係についてシミュレーションで研究しています。

パッチ環境での生物の存続を調べるシミュレーション

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空間の広がりが種多様性の維持や生態系の安定に果たす役割

伝統的な生態系の数理研究では、生息地の空間的な広がりをあまり考慮に入れないで研究が行われてきました。しかし、実際には生物は移動分散を行うので、かなり離れた生息地の間で個体の移動が起こります。したがって、種多様性や生態系の安定性について考えるときに、このような生物の移動を考慮して研究をしなければならないはずです。この研究室では、特に「格子シミュレーション」といわれるシミュレーション手法により、空間の広がりの影響が種多様性や生態系の安定性に与える影響を研究しています。

競争関係にある3種生物の生息域変化を調べるシミュレーション

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生息地の分断や細分化の影響

人間の生活域が拡大するにしたがい、生物の生息地が分断されたり細分化されることが起きています。このように、生息地が分断・細分化されると、種多様性にどのような影響を与えるでしょうか? その理論的な可能性についてシミュレーションにより研究しています。

分断・細分化された生息地の例 (Lenore Fahrig, 2003)

 

生息地の細分化の影響を調べるシミュレーション

 

プログラムで自動的に生成した細分化した生息地

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有害生物の生物的防除

準備中

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人間社会の持続可能性

準備中

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生物を利用した温暖化の防止

準備中

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個体レベルの相互作用と個体群レベルの動態の関係

準備中

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東北工業大学 工学部 環境応用化学科 穴澤研究室

〒982-8577 宮城県仙台市太白区八木山香澄町35-1
Email: anazawa@tohtech.ac.jp
Tel: 022-305-3931