佐藤研究室

二酸化炭素塗装における溶剤選定法の開発

塗装はわが国最大の有機溶媒(Volatile organic compounds, VOC)排出源となっております。二酸化炭素を利用した塗装法ではVOCの排出を大きく減らすことができます。この塗装法における溶剤の選定法を研究しています。

二酸化炭素を塗料に添加すると、使用する真溶剤によっては塗料中のポリマー成分が析出して塗装できないことがあります。このため、どのような真溶剤を選定すればポリマーの析出が抑制できるか、また効果的に粘度を低下させるにはどのような溶剤を選定すればよいか、検討する項目はたくさんあります。溶液化学的な観点から、相平衡と粘度の面から最適な溶剤選定法を開発します。

溶液重合条件におけるポリマー溶液の高圧相平衡

ポリエチレンの溶液重合では、溶剤の回収に多大なエネルギーが必要となります。モノマーであるエチレンを多量に重合溶液中に溶解させるとエチレンが貧溶媒として採用するため、ポリマーが相分離を起こします。これを利用するとポリマーリッチ相と溶媒リッチ相に相分離するため、溶媒の回収が省エネルギーに行えます。この基礎データとなる相平衡(気液平衡,液液平衡)に関する研究を行っています。

二酸化炭素添加によるポリマーのガラス転移温度・濃度の推算法の開発

ポリマーに超臨界流体を添加すると可塑化が生じます。可塑化の尺度としてガラス転移温度が挙げられます。ガラス転移温度の変化により、粘度や拡散係数といった輸送物性が大きく影響を受けることが知られています。このため、輸送物性を推定するにはガラス転移温度の推定できることが肝要です。本研究では二酸化炭素の添加によるポリマーのガラス転移温度測定とその推算法の開発に取り組みます。

東北工業大学 工学部 環境応用化学科 佐藤研究室

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