丸尾研究室

ナノ材料化学を研究しています。

表面は結合が途中で切れていたり、周りを取り囲んでいた原子がなくなっていたりするのでバルク状態とは異なる物性を示します。研究室で注目しているナノ材料はサイズが小さいため表面の占める割合が半分もしくはそれ以上となり、その表面や内部では分子の配列や化学反応に特異性が現れます。これらの性質を用いて、次の3つに注目して研究を行なっています。

ナノ多孔体を用いた化学センサの研究(超高感度呼気分析チップの研究)

ナノ粒子を用いたCO2光還元触媒の研究

開発した化学センサを用いた環境測定の研究

昨年までは、ナノ多孔体を用いたベータ線計測用固体シンチレータの研究 も行なっていました。

ナノ多孔体を用いた化学センサの研究

ナノサイズの孔が開いたガラスや不織布などを基板として、微量な気体を検出する化学センサを研究しています。ナノ多孔体は比表面積が非常に大きく、また表面には水の薄い層が存在するため、表面の力を受けつつ固体と液体の中間状態で化学反応が進みます。そのため特定の気体物質と反応し、安定な生成物を作る化学反応をナノ多孔体中で起こすことができれば、高感度で高選択性のある気体の検出が可能になります。

多孔体としては多孔質ガラスを用いています。その特長は次のようです。

 

 

ナノ多孔体を用いた生体ガス分析チップの研究

ヒトが排出する生体ガスや尿の中には、特定の疾患と関係のある化学物質が含まれることが判ってきました。研究室ではそのような化学物質を高感度に高選択に簡単に測定することのできる分析チップの研究を進めています。

 

 

ナノ粒子を用いたCO2光還元触媒の研究

光触媒としてよく知られている酸化チタンに金属ナノ粒子を担持させてCO2を光還元できる触媒の研究を行なっています。現在は金のナノ粒子に注目しています。金のナノ粒子は赤紫色をしているので、酸化チタンが吸収する紫外領域の光にプラスして可視光も吸収できる触媒が合成できました。この触媒はCO2を光還元してメタンを生成することがわかりましたが、さらに変換の効率を上げるため中赤外のレーザを同時に照射してCO2分子を振動励起させる効果についても研究しています。

開発した分析チップを用いた大気環境測定の研究

開発したオゾン検知紙とNO2分析チップ、及びヤグチ電子工業の開発したPM2.5センサを用いて、大学構内や仙台港周辺の環境計測を行なっています。計測も5年目に入り、地下鉄東西線開通前後での大学周辺の大気環境の変化が判ってきました。

(昨年までの研究)ナノ多孔体を用いたベータ線計測用固体シンチレータの研究

トリチウムのベータ線はエネルギーが低いため、トリチウムを高感度で計測するためにはトリチウムに近接した状態を確保して蛍光を発するシンチレータを開発する必要があります。研究室では分析チップの基板として用いている多孔質ガラスに注目し、これを用いた固体シンチレータの研究開発を行なっています。

修士論文題目

2020年度

  • 流れを持つアセトンガスの多孔体分析チップを用いた簡易分析法の研究

2019年度

  • 二種類の分析チップを用いた有限体積中の一酸化窒素高感度分析法の研究
  • ナノ多孔体とトリフェニルメタン色素を用いたノナナール簡易分析法の研究

2018年度

  • Au/TiO2を用いたCO2光還元に与えるCO2振動励起及び表面構造の影響評価の研究
  • ナノ多孔体とフェニルヒドラジン化合物を用いたアセトン簡易分析法の研究

2017年度

  •  小型PM2.5センサとNO2及びO3パッシブサンプラの性能評価及び実環境測定への応用の研究

2016年度

  • ナノ多孔体と2-フェニル-4,4,5,5,-テトラメチルイミダゾリン-3-オキシド-1-オキシルを用いた一酸化窒素簡易分析法の研究
  • ナノ多孔体と2,4-ジニトロフェニルヒドラジンを用いたアセトン簡易分析法の研究

卒業論文題目

2020年度

  • 耐アルカリガラスを用いたノナナール検出法の研究
  • 多孔質ガラスとヒドラジン化合物を用いたアセトン分析チップの性能評価の研究
  • AuNP/TiO2/CaCO3構造に及ぼすCaCO3含有量の影響評価の研究
  • 小型オゾン発生器を用いた水浄化方法の研究~アフリカでの援助を目指して~
  • 開発した簡易分析方法を用いた空気殺菌脱臭器から発せられるオゾン、NOxの評価の研究
  • 有機ラジカルPTIOによるNOからNO2変換における基板材料の影響評価の研究
  • 画像解析によるガス拡散評価方法の研究

2019年度

  • 新たなAuNP/TiO2/CaCO3光触媒の合成及びCO2光還元性能評価
  • 耐アルカリ性多孔質ガラスを用いたノナナール検出チップの研究II
  • EQCM-D装置を用いたTi-Mn系レドックスフロー電池用電解液の解析
  • トリチウム測定用透明固体シンチレータの研究
  • ニトロフェニルヒドラジン化合物を用いたアセトン検出チップの研究
  • β―ジケトン含浸多孔質ガラスチップを用いた生体ガス用ホルムアルデヒド測定方法の研究
  • 複合分析チップを用いた呼気中一酸化窒素測定方法の研究

2018年度

  • 反応物解析による二酸化窒素分析方法の検討及び2018年仙台市八木山の局所域における大気環境評価
  • 多孔質ガラスと2-Nitrophenylhydrazineを用いた比色式アセトン検出チップの研究
  • 新規AuNP/TiO2/CaCO3光触媒の合成及び性能評価
  • 2018年仙台市八木山の局所域における大気環境評価ーオゾンを中心としてー
  • チタンーマンガン系電解液と二酸化マンガンのEQCM-D測定による解析
  • AuNP/TiO2光還元触媒の作製法依存性の検討
  • 耐アルカリ性多孔質ガラスを用いたノナナール検出チップの研究
  • βージケトン含有多孔質ガラスチップを用いた溶液中のホルムアルデヒド濃度測定方法の研究

2017年度

  • 多孔質ガラス中における2-phenyl-4,4,5,5,-tetramethylimidazoline-3-oxide-1-oxylと一酸化窒素の反応機構解析
  • EQCM-Dを用いた電解二酸化マンガンの酸化還元反応の解析
  • 高機密性を目指したFT-IR用ガスセルの設計と作製
  • 仙台市八木山の局所域における大気環境評価及び地下鉄開通影響の検討ー二酸化窒素を中心としてー
  • 仙台市八木山の局所域における大気環境評価及び地下鉄開通影響の検討ーオゾンを中心としてー
  • Auナノ粒子/TiO2光還元触媒の発色における作製時のpH依存性の検討
  • 多孔質ガラスとDNPHを用いたアセトン検出チップ感度の湿度依存性の検討
  • Auナノ粒子/TiO2のCO2光還元性能に及ぼす粒子サイズ影響の検討
  • 仙台市八木山の局所域における大気環境評価ー交通量の影響ー
  • NO2パッシブサンプラ及びO3検知紙の屋外設置時の性能評価

2016年度

  • 画像解析を用いた二酸化窒素簡易分析における濃度変換方法の検討
  • 紫外線ー中赤外光同時照射によるAu/TiO2触媒を用いたCO2光還元方法の検討
  • 多孔質ガラスを用いた簡易分析法による仙台市家庭における室内二酸化窒素濃度評価
  • 比色法を用いた大気環境評価に用いるRGB解析プログラムの作製
  • ホルムアルデヒド検出に用いるルチジン誘導体の光分解反応機構の基礎的検討

2015年度

  • 仙台市八木山の局所域における大気環境評価及び交通量影響の検討
  • Au/TiO2触媒を用いたCO2光還元におけるTiO2結晶形の影響評価
  • 神経細胞の機能化に向けた培養基板表面修飾に関する基礎検討
  • 半経験的分子軌道法を用いたナノ粒子表面での反応解析のための基礎検討
  • PTIOとアゾ色素を用いた新規NO検出素子の検討
  • 界面活性剤を用いたマグネシウムフェライト粒子合成法の検討
  • ホルムアルデヒド検出に用いるルチジン誘導体の光分解反応機構の検討

2014年度

  • 局所域における地表レベルオゾンと二酸化窒素の空間分布
  • 多孔質ガラス中比色反応を用いたアセトン検出法の研究
  • ホルムアルデヒド素子の退色評価
  • ヒト皮膚より放散されるNO2測定法の研究
  • NO測定用PTIO素子の安定性評価
  • 溶液燃焼法で作製したマグネシウムフェライトの光還元特性の評価ー焼結温度依存性ー
  • 溶液燃焼法で作製したマグネシウムフェライトの光触媒特性の評価ー二酸化チタンとの比較ー

 

 

東北工業大学 工学部 環境応用化学科 丸尾研究室

〒982-8577 宮城県仙台市太白区八木山香澄町35番1

E-mail: y-y-maruotohtech.ac.jp